INTERVIEW
ヤマクラブインタビュー特集
Vol.1
Interviewee ヤマクラブゼネラルマネージャー Koheiiさん / Interviewer ユキ (ヤマクラブ)
山情報だけでなく自分もプロデュースしちゃえば?
山やアウトドアを愛す人達に提案する情報発信の新しいカタチ
ヤマクラブゼネラルマネージャー
Koheiiさん

山の情報を得たい時、どのサイトをご覧になりますか?皆さまが求める山の情報とは何ですか?
今日は、当ヤマクラブのゼネラルマネージャーであるKoheiiさんにヤマクラブのこと、山を取り巻く環境への想いなどをたっぷり伺ってみたいと思います。
ヤマクラブについて
毎日お疲れ様です。
今日は、インタビューアとしてお話を聞かせていただきます。よろしくお願いします。


よろしくお願いします。なんだか新鮮ですね(笑)
ホントに。さ、お仕事、お仕事。始めますよ。
改めてお伺いいたします。
どうして、「ヤマクラブ」を立ち上げようと思ったのですか?


そうですね、
登山やアウトドアに関するサイトやブログは多い中で、自分で読んでみたいと思えるブログや記事を探すのって結構大変というか、検索サイトで検索しても中々見つけにくいなあと思っていました。
私の個人サイトでその解決策を探っていくうちにある程度方向性は見えてきたんですが、せっかくそういう仕組み作りをするなら、一人でも多くの人に使ってもらおうと思ったのがヤマクラブを立ち上げたきっかけです。
Koheiiさんの個人サイトというのは、「Head for the mountains」のことでしょうか?


そうですそうです。あの時はゲストライターをひきうけてくださってありがとうございました。
Head for the mountains | Home
登山やキャンプ、スキーなど山にまつわる話題を中心に、TwitterのTweet Logを利用した山行記録やブログ記事などに加え良質なゲストブログを紹介します。
こちらこそお世話になりました。
先ほどお話になっていた、「解決策を探っていくうちに見えてきた方向性」についてもう少し詳しくお話聞かせてください。



Twitterで更新情報などを紹介されているブログを読んでみて、このブログ面白いなあ、と思ったらその方の記事を一通り読ませて頂きました。
その際、この記事好きだなあ、他の人にも教えてあげたいなあ、と思ったものに関してお勧めとして紹介できればと思ったんです。
もちろん自分の記事ではないので、作者の方に掲載許可を頂くわけですが、その際にせっかくなら「ゲストブログ」というジャンルを作ってしまおうかと。それに合わせて、記事の掲載許可を受けて頂いたブログ作者さんを「ゲストさん」として紹介させて頂くことで、ゲストさんの記事に興味を持たれた方が直接そのブログサイトへ読みに行ける仕組みは結構アリなんじゃないかと、そんな方向性が少し見えてきたんです。
ヤマクラブをSNSサイト形式にしようと思ったのはなぜですか?


当初はSNSサイトを念頭に置いていたわけじゃないんです。ヤマクラブにはメンバー登録という仕組みがあるんですが、今後メンバーさんが増えていくうちにいずれはメンバーさん同士の繋がりが出てくるはずだろう思ったんですね。それならお互いが交流できるシステムがあってもいいんじゃないかな、と思ったのがきっかけです。実際にはSNSを実現できるようなシステムの構築ができそう、という目処が立ったことも大きいですね。
システムの構築、たしかに大きな壁でしょうね。個人のブログサイトをつくるのでも大変なのに、SNSなんて想像もできません。
一番最初の難題はどんなものでしたか?


SNSを構築できるシステム、これは海外から探してきて構築したんですが、見えないところの設定から、見た目の部分まで全て英語だったんですね、普通に考えれば当たり前ですが(笑)。そのままでは閲覧した時に意味が分かりにくい部分があって使い心地に影響が出るので、作り上げて行く以前にそれらを翻訳する作業から始めないといけなかったのは思ってたより大変でしたね。単語数も多かったですし。
ヤマクラブを立ち上げてから、Koheiiさんの生活はだいぶ変化されたのではありませんか?



それまでは自由になる時間があるとすぐ山へ行っていたんですが、ヤマクラブの構築やメンテナンスに費やす時間が圧倒的に増えましたね。山のサイトを開設しているのに、その本人は山へ行く時間が中々取れないことにジレンマというか焦りも感じました。
ホントホント。山行く回数減ったw


ん?何か言いました?
いえ、なんでもありません。

では、ヤマクラブをはじめて、増えた楽しみはありますか?


サイトを構築するにあたって、やりたいことがどんどん増えてくるんですよね。それを実現させたくていろいろ調べたり、自分なりに知識を吸収すること自体が楽しくなりました。それが実現できてメンバーさんに使ってもらえた時の喜びはモチベーションアップにつながるというか、ヤマクラブを作り上げていくこともどんどん楽しくなりましたね。
個人サイトだと基本的に自分が主役なわけですが、ヤマクラブはメンバーさん一人一人が主役です。メンバーさんと交流する機会が持てたという楽しみも増えました。
確かに。クラブをたちあげてからはお互い、いつも、ヤマクラブについてどうする?これやる?という話ばかりしていますよね(笑)
これからの夢をお聞かせください。


現在はメンバーさんのブログを紹介することがメインのコンテンツになっていますが、今後はヤマクラブ発信の記事を増やしていきたいですね。その記事を読んだ方が山に興味を持ってくれて登山やアウトドアを始めるきっかけになってくれたら理想的です。
また、仕事で山に携わる人も多いわけですが、そのような方達へのサポート、ひいては山に関連する業界の活性化に貢献していきたいですね。これは日本国内にとどまらず、世界規模でそのようなサービスを展開できたら素晴らしいことだと思っています。
現在、既に登山関係のWebサービスはいくつかありますが、ヤマクラブって少し変わってて情報の発信方法がいくつもあるんですよ。まずはブログ、これは自分がお持ちのブログ記事を紹介することもできますし、紹介でなく直接書きたいことを書いても構いません。Twitterのツイートを貼って頂くのも面白いですね。
そうなってくると、ブログを紹介するだけでなく、山やアウトドアを趣味にしてる自分のことも一緒に知ってもらいたくなりませんか?
「そんなことできるの? そう、ヤマクラブならね!」
とか言えたらいいな、と夢を見ました(笑)でもそれは冗談ではなく、ヤマクラブならそれをサポートする仕組みがいくつもあります。全てのサービスにアクセスできるメンバー登録、ブログ、グループ&フォーラム、そしてQ&Aスレッドを立ち上げることも可能です。これらのサービスはTwitterやFacebookと連動しており、自分が発信する情報を効果的にPRできます。
山情報だけでなく、思う存分自分をプロデュースしてください。ヤマクラブは山やアウトドアを愛す人達に情報発信の新しいカタチを提案します。ヤマクラブに足りない仕組みがあったらいつでも教えてください。その実現に向けて全力を注いでいきます!こう言えるユーザーフレンドリーなサービスを目指すのがこれからの夢です。
Koheiiさんのプライベートに迫る!ヤマノハナシ
Koheiiさんがを登山を始めたのは、どんなきっかけからだったのですか?


小学生の頃に父に高尾山に連れて行ってもらったことがあるんですが、その時に感じた楽しさが原点です。
その後、社会人になって職場を変えたことがあったんですが、その間って有給休暇の消化というか、少し時間があるじゃないですか。その時にふと、子供の頃の記憶を思い出して高尾山に行ってみたんですよ。そこで、山っていいなあって思いだしてからは一直線でした。父は普段は登山をする人ではないんですが、いま思うと最初のきっかけ作りをしてもらったと思っています。
本格的に登山を始めたきっかけは社会人になってからのその高尾山ですね。
私も同じです。
私の父も山とは縁のない人なんですけれど、小学生のころに高尾山につれていってくれて。それが、私のはじめての登山でした!とにかく楽しくて楽しくてこんな楽しい時間があるんだなと感動したのを覚えてます。


高尾山、これからのキーワードになりそうですね(笑)

山を始めた当初って、なんだか、もう早く、少しでも多く山を歩きたい!ってみなさん感じると思いますが、Koheiiさんが一番、夢中になってのぼっていた時期っていつぐらいでしたか?


2008年頃だったと思います。それこそ3日おきくらいにテント担いで山に行っていましたね。家で寝るよりテントで寝る方が多かったかもしれません。もう面白くて面白くてしょうがなくて。いろんな知識を付けたいというのはもちろんあったんですが、ネットの古本屋さんでタイトルに「山」が付く本は全部買って読んでいたくらいでした(笑)
3日に一回!!ハマり症なのは昔からなんですね(笑)

最近の山行で印象的なものをひとつ教えてください。


夏休みになると1週間程かけて山々を縦走するのが楽しみなんです。ただ、山の天気って1週間も安定していることなんてまずないわけで大体毎年どこかしらで降られるわけですが、昨年は立山の室堂から、五色ヶ原、スゴ乗越、薬師岳、そこからは黒部五郎岳、槍ヶ岳を経由して上高地へ下山するプランにしたんですが、当初の予報よりも荒れた日が出てきてしまい、予定通りの行動を続けるのは難しくなったんです。
そこで初めていわゆる「停滞」というのをスゴ乗越小屋でやりました。停滞って、予定通り歩けず気持ちが下がるだろうし、ただただ時間をもてあますだけのものとマイナスなイメージを持っていたんですが、実際に停滞してみたら面白いことときたら!(笑)
その日、同じような行程で歩いてる大変ベテランの方がいたんですが、その方のアドバイスで停滞を決めたんです。停滞中何してるかって?朝から山談義に花を咲かせたり、小屋の本棚から面白そうな本や写真集を見てみたり、明日以降の行程をどうするか地図を広げて皆で検討しあったり、ゆったりとした贅沢な時間を過ごす楽しみを教えてもらえました。
結局その後も風雨はおさまることはなく予定を2日ほど切り上げてルートを変更して下山したんですが、その方とは意気投合してしまい、皆で富山に一泊して、その時の山の思い出話を肴に富山の美味しいものを楽しむことに(笑)ああ、山の楽しみっていろいろあるんだなあと再認識させられた昨年夏の山行が最近一番印象に残ってます。
山の楽しみはいろいろ。確かにそのとおりですね!!!


鉄分なお話
ところで、Koheiiさんのブログには、山のことと同じくらいの電車の話が詳しく書かれていることが多いですけれど、電車もかなりお好きですよね?


これはそれこそ幼稚園くらいの時からかもです。ただ、中学生、高校生となるにつれてスポーツの方が楽しくなってきて、それ以来鉄道に対する興味というか関心は最近までほとんど感じることはなかったんですよ。
いま思うとやっぱり山がきっかけかもしれませんね。計画段階から下山後のお楽しみを堪能するつもりだとやっぱり列車の方が都合がいいことも多くて。それに伴って遠出をすることが増えて、普段乗ることがない列車に乗る機会が出てきて気がついたら何となく鉄分が復活してたみたいな感じです。
わかります。私もかなり影響されている気が(笑)ツイッターなどをみていても、みなさん、山に向かう電車などの写真を嬉々としてあげてますものね。これも山の楽しみのひとつなのかもしれませんね。

安曇潤平さん
そうそう、話が飛びますが、私、先日、Koheiiさんがおすすめしていた安曇順平さんの本を読みましたよ。もう、怖くて、山にいかれなくなっちゃうのじゃないかとおもいました(笑)



ついに読みましたか!そういうと思いましたよ(笑)
オカルトとかそういうのにはあまり興味はないんですが、怖い話は子供の頃から好きなんですよ。稲川淳二さんの語りとかは伝統芸能として残して欲しいくらい(笑)
山ってもともと下界とは違う世界というか、やっぱりどこかで畏怖の念を持っているというか、特別な空気が流れてるじゃないですか。そういう意識がある中で、山という特殊な環境下で起こる不思議な出来事、山にまつわる話を集めた安曇潤平作品はいいですね。すっかりファンになってしまいました。
大人の事情もあるんでしょうが、山の名前は伏せられてる話が多いんです。たとえばH岳とかT山とか。それを想像して読むのも楽しいです。知っている山域だと何となくそれぞれの山の見当が付いてくるんですよね、それも楽しくて。
ただ、お読みになったかたは同じような感想を持たれたかもしれませんが、山の怪談って怖いだけじゃないんですよね。時々、ホッと心が安まる話があったりとか。そういう話も取り上げられていたりで、山の別の側面を知るという意味では、いいものを書かれてるかただと思います。
最近お気に入りのアレ
着々と増えているアイテム、ミステリーランチのこともお聞きしちゃいましょうか。



最近すっかりはまってます。大型ザックから日帰り用ザック、気がついたら通勤用までミステリーランチに(笑)山を始めた頃はドイターのザックをいくつか使ってたんですが、その後「ザック界のロールスロイス」の響きが気になりグレゴリーをメインに背負うようになったんです。最初使い始めた時は相性もよかったのか背負い心地にはとても満足してたんですが、モデルが新しくなって買い換えてからなんとなくしっくりこないと感じることが時々あってどうしたものかと思ってたんです。
そんな中、普段お世話になってる山道具屋さんにこれまた大変お世話になってるスタッフさんがいるんですが、そんな話をしたら「ミステリーランチいかがですか?」と。いま思うとミステリーランチ沼への悪魔の囁きでした(笑)まあ、沼かどうかは別にして、よくできたザックです。特に大型ザックは素晴らしい。機能性もさることながら、どの部分も妥協なく作られてるんですよね。
ザックって山道具屋さんで多少の重りを入れて少し試してみたとしても、実際には1日とか2日山で歩いてみないと、どんな感じかって分からないじゃないですか。そういう意味でザックの購入って一種の賭けみたいな部分もあるかもしれないんですが、そのスタッフさんとはもう結構長いことお世話になってることもあって、こちらの背負い心地の好みとかも知ってるんですよね。その方が勧めるザック、これは間違いないだろうと。まあ、まだ持ってる人が少ないとかロゴがカッコいいってのに惹かれてる部分もありますね(笑)
最後に
ヤマクラブゼネラルマネージャーとしてのメッセージ
実際のところどれだけの人が集まるのか、そもそも人が来るのか、最初はそれすらも手探りな状態でしたが、おかげさまで徐々に使って頂けるかたが増えてきたことにとても感謝しています。この場を借りてお礼申し上げます。
取り組んでみたいことはまだ他にもたくさんありますが、基本的な理念として、ヤマクラブは山を歩く人や山のブログを書く人だけでなく、山を取り巻く様々な人やサービスの潤滑油のような存在になっていきたいと考えています。
ヤマクラブをご覧になって、登山やキャンプって楽しそうだなと興味関心を持ってくださったり、既に山を歩かれてるかたにとっても一層山を楽しむためのお手伝いなど、それらを一人でも多くの方に提案できたらそれほど嬉しいことはありません。
それだけでなく、山やアウトドアを趣味としている自分のことを自分でプロデュースできて、同じ趣味を持つ世界中の人達に知ってもらえる場所、そのような場を育てていけるよう努めてまいりますので、これからもどうぞよろしくお願いいたします。

Profile
プロフィール
ヤマクラブの創設メンバーの一人かつ、ヤマクラブプロジェクトのゼネラルマネージャーであり総責任者。サイト構築にあたり技術的ポジションも担当。
登山スタイルは数日間にわたる長距離テント泊縦走が好みなものの、久しぶりに小屋泊登山をしたらその快適さが忘れられずにいる今日この頃。キャンプが好きでテン泊ザックに諸々詰め込んで現地で楽しむ一杯は至福の時。
登山とともに楽しんでいるスキーは、The Dayというワードを覚えて以来すっかりパウダーのとりこ。ヤマクラブがきっかけとなり動き始めた他プロジェクトも統括するなど活動は多岐にわたる。
ヤマクラブについて
今回はKoheiiさんのインタビューをお伝えしました。ヤマクラブについては「ヤマクラブとは」というページがあります。そちらではヤマクラブを運営しているヤマクラブプロジェクトやプロジェクトメンバー、また、ヤマクラブで中心的に活動して頂いてる「メインコントリビューター」の皆さんもご紹介しています。そちらのページも併せてご覧ください。
ヤマクラブとは | ヤマクラブ YamaClub
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